EmDash(エムダッシュ)とは、Cloudflareが2026年に公開した、PHPを使わない無料(MITライセンス)のCMSです。投稿やカテゴリといった管理画面の考え方はWordPressに近いものの、中身は別のCMSです。そのため、WordPressからの移行を考える場合は、今のテーマとプラグインがそのまま動かず、デザインは作り直しになります。
PHPの脆弱性のニュースのあとで、上司から「EmDashって何?うちも替えたほうがいいの?」と聞かれた。そこで「EmDash」と検索してみました。すると「WordPressの後継」「まだ早い」「Cloudflareに縛られる」と、記事によって言うことがばらばらです。結局うちに関係があるのか——迷う方は多いはずです。
迷って当然です。 なぜなら、EmDashで何が変わるかは、その人がサイトにどう関わるかで大きく違うからです。記事を更新する人にとっては、投稿やカテゴリなど見慣れた考え方が多い一方、サイトを作る人と、動かし続ける(保守する)人の仕事は大きく変わります。
この記事では、開発元の公式ブログ・公式ドキュメント・GitHubの公開情報をもとに整理しました。むずかしい言葉は、そのつどかみくだいて説明します。
はじめにお伝えすると、パープルエックスはWordPress・Movable Type・EmDashでの制作と保守に対応しています。どれかへの乗り換えを勧めるために、この記事を書いてはいません。

こんなことで迷っていませんか
- 「PHPの脆弱性のニュースを見ました。うちもEmDashに替えたほうがいいですか?」
替えないと危ないのか、替えなくていいのか、判断の軸がほしい。 - 「EmDashは無料と聞きました。本当にお金はかからないんですか?」
本体が無料なのはわかったけれど、ほかに何にお金がかかるのかがわからない。 - 「今のWordPressの記事やデザインは、そのまま移せますか?」
お知らせや記事がたくさんあるので、移せないものが知りたい。 - 「替えたとして、保守は誰に頼めばいいんですか?」
今の保守会社でいいのか、上司に聞かれても答えられない。
ひとつでも当てはまるなら、この記事が役に立つはずです。
EmDashのこと、まずはご相談ください
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パープルエックスの無料相談では、今のサイトの保守のことや、作り直しの迷いなど、気になっていることからお聞きしています。乗り換えありきのご提案はしません。
この記事でわかること
- EmDash(エムダッシュ)とは何か、誰が作っているのか
- EmDashのしくみ(デザイン・本体・動かす場所)と、プラグインの隔離の条件
- WordPressと同じこと・違うこと
- 更新する人・作る人・保守する人で、それぞれ何が変わるか
- WordPressから移せるもの・作り直すものと、費用の考え方
- EmDashが向くサイト、今は待ってよいサイト
EmDashとは、Cloudflareが公開したPHPを使わない無料のCMS
EmDash(エムダッシュ)は、Cloudflare(クラウドフレア)が開発し、オープンソースで公開しているCMSです。CMSは、ホームページを専門の知識がなくても更新できるようにする仕組みのことです。「エムダッシュ CMS」とカタカナで書かれることもあります。
PHPではなく、TypeScriptとAstroで作られている
EmDashは、TypeScript(タイプスクリプト、プログラムの言葉の一つ)で書かれ、Astro(アストロ、Webサイトを組み立てる道具)の上に作られています。TypeScriptで書かれているので、PHPは使いません。WordPressのプログラムも使っていません。
ライセンスはMITです。本体は無料で、誰でも使えます。
精神的後継と紹介されているが、中身は別のCMS
開発元は、EmDashをWordPressの精神的後継と紹介しています。管理画面には、投稿・固定ページ・カテゴリ・タグ・権限といった、WordPressと同じ考え方があります。ただし、中身は別のCMSです。
最初は開発者向けのベータとして公開され、2026年9月28日に安定版の「1.0」が発表されました。2026年11月2日時点では、公式のプラグインと開発の道具は、まだ「0.x」(試験段階の番号)です。
(出典:EmDash(GitHub)/Cloudflare公式ブログ(EmDashの発表)2026年4月1日(日本語版)/Cloudflare公式ブログ(EmDash 1.0の発表)2026年9月28日(英語))
【重要】EmDashのしくみは「デザイン・本体・動かす場所」の3段でできている
EmDashは、デザイン(Astro)・EmDash本体・動かす場所の3段を積み重ねてできています。WordPressでいう「テーマ」「WordPress本体」「サーバー」に近い分け方です。

動かす場所は2通り:CloudflareかNode.jsのサーバー
EmDashを動かす場所は、次の2通りから選びます。
- Cloudflareの上で動かす:Workers(プログラムを動かすサービス)、D1(データベース)、R2(画像などのファイルの置き場所)を使います
- Node.js(JavaScriptをサーバーで動かす仕組み)の動くサーバーで動かす:データベースはSQLite・PostgreSQLなどを使います。ファイルの置き場所は、AWS S3などのサービスかサーバーのディスクです
どちらで動かすかで、費用も保守の中身も変わります。
(出典:EmDash(GitHub))
プラグインは「できること」を宣言し、承認してから動く
プラグインは、機能を足すための追加の部品です。EmDashのプラグインは、使う前に「できること」を宣言します。
- 「記事を読む」「外部と通信する」など、できることを一覧(マニフェスト)に書く。隔離して動かすプラグインでは、宣言していない機能は使えず、通信先も宣言した相手だけ
- 入れるときに一覧が画面に出て、管理者が承認する
- 更新でできることが増えるときは、増えた分が表示され、承認するまで新しい版は使われない
そのうえで、プラグインを本体から切り離した囲いの中(隔離)で動かせます。CloudflareでもNode.jsでも隔離できます(仕組みは動かす場所で違います)。
ただし、すべてのプラグインが隔離されるわけではありません。2026年11月2日時点の条件は次のとおりです。
- 「ネイティブプラグイン」は隔離されない。EmDash本体と同じ場所で動く
- Cloudflareで隔離を使うには、Workersの有料プランが要る。新しいサイトの初めの設定は無料プランで、そのままだと隔離したプラグインは読み込まれない(ほかの部分は動く)
(出典:EmDash公式ドキュメント(プラグインの権限)(英語)/EmDash公式ドキュメント(プラグインの隔離)(英語)/Cloudflare公式ブログ(EmDash 1.0の発表)2026年9月28日(英語))
EmDashとWordPressで同じこと・違うこと:考え方は近く、中身は別のCMS
主な違いを表にします(2026年11月2日時点)。
| EmDash | WordPress | |
|---|---|---|
| 本体の言葉 | TypeScript(Astroの上に作られている) | PHP |
| 本体の費用 | 無料(MITライセンス) | 無料 |
| 管理画面の考え方 | 投稿・固定ページ・カテゴリ・タグ・権限 | 同じ考え方 |
| デザインの作り方 | Astroのプロジェクトとして作る | テーマで作る |
| プラグインの仕組み | できることを宣言し、承認して使う。隔離して動かせる(条件あり) | 本体に入れて使う |
| プラグインの数 | 配布の場所(レジストリ)には、今は無料のプラグインだけ | 非常に多い |
| 動かす場所 | CloudflareかNode.jsの動くサーバー | PHPの動くサーバー |
| WordPressのテーマ・プラグイン | そのままでは動かない | 使える |
(出典:EmDash(GitHub)/Cloudflare公式ブログ(EmDash 1.0の発表)2026年9月28日(英語))
この表が意味していること。
上から3行目と、いちばん下の行を見てください。管理画面の考え方は近くても、デザインとプラグインはWordPressのものを持ち込めません。
つまり、こういうことです。
EmDashは、WordPressの「新しい版」ではなく、考え方が近い「別のCMS」。
似ているのは考え方と言葉、違うのは作りと、動かす場所と、頼める人。
EmDashで変わることは、更新する人・作る人・保守する人で違う
ここまでを、サイトに関わる3つの立場に読み替えます。変わり方がいちばん小さいのは更新する人、大きいのは作る人と保守する人です。

| 立場 | WordPressと近いこと | 変わること |
|---|---|---|
| 更新する人(記事やお知らせを書く人) | 投稿・固定ページ・カテゴリ・権限の考え方 | ログインの方法、編集画面 |
| 作る人(デザインや機能を作る人) | 「テーマ」「プラグイン」という分け方 | Astroで作り直す。プラグインの作り方 |
| 保守する人(動かし続ける人) | 更新を追い続ける必要があること | 追いかける相手(WordPress本体・プラグイン・PHPから、EmDash本体・Astro・プラグインへ。Node.jsで動かすならNode.jsも) |
EmDashの管理画面:更新する人には、WordPressに近い考え方で、日本語で使える
記事やお知らせを更新する人にとって、EmDashの管理画面は、WordPressと考え方が近く、日本語で使えます。
投稿・固定ページ・権限の考え方は同じ
投稿・固定ページ・カテゴリ・タグを使って記事を整理します。WordPressの「カスタム投稿」にあたる種類分けもできます。権限は「管理者・編集者・作成者・寄稿者」の4つで、任せ方の考え方はWordPressと同じです。
(出典:EmDash(GitHub)/EmDash公式ドキュメント(WordPressからの移行)(英語))
管理画面は日本語に切り替えられる
管理画面の日本語訳は、協力者が翻訳のしくみで進めています。2026年11月2日時点で、翻訳の対象の99%(3,553件のうち3,511件)が日本語になっていました。言語は、ログインの画面と設定の画面で切り替えます。
(出典:EmDash 翻訳ダッシュボード/EmDash公式ドキュメント(翻訳への参加)(英語))
一方で、2026年11月2日時点では、使い方を説明する公式のドキュメントに日本語版は見当たりませんでした。
変わるのは、ログインと編集画面
- ログインはパスキーが基本です。パスキーは、パスワードの代わりに、端末の指紋や顔の認証などを使うログインの方法です。外部のアカウントでのログインや、メールで届くリンクでのログインも使えます
- 編集画面は、WordPressのブロックエディタとは別の画面です。WordPressのブロックで書いた記事は、移すときにEmDashの形式(Portable Text)に変わります
(出典:EmDash(GitHub)/EmDash公式ドキュメント(WordPressからの移行)(英語))
EmDashのデザインとプラグイン:作る人の仕事は、作り直しから始まる
作る人にとって、EmDashはデザインと機能を組み直す仕事になります。
デザインは、Astroのプロジェクトとして組む
EmDashのデザイン(テーマ)は、Astroのプロジェクトとして作ります。テーマからデータベースを直接さわることはできない作りです。今のデザインを残したいときも、Astroで組み直すことになります。作る人には、Astroを扱える技術が要ります。
(出典:Cloudflare公式ブログ(EmDashの発表)2026年4月1日(日本語版))
機能は、1つずつ確かめて組み直す
お問い合わせのフォームなど、今使っている機能は、EmDashで同じことができるかを1つずつ確かめ、なければ作ります。
EmDashの保守:Cloudflareならサーバーの更新はなくなり、Node.jsならサーバーの更新も残る
EmDashにしても、更新を追い続ける人は要ります。変わるのは、追いかける相手です。
Cloudflareで動かす場合
自分たちで管理するサーバーはなくなり、OSやPHPの更新からは離れられます。そのかわり、EmDash本体とAstro、使っているプラグインの更新を追います。
Node.jsのサーバーで動かす場合
サーバーそのものの更新が残ります。公式のドキュメントには、次のような注意があります(2026年11月2日時点)。
- Node.jsは決められた版(v22.23.4)以上が要る
- 予約公開は、Node.jsのプログラムが動いている間だけ動く。本番では常に動かしておく
- バックアップは、データベースのファイルと、アップロードしたファイルのフォルダの両方をとる
(出典:EmDash公式ドキュメント(Node.jsで動かす)(英語))
更新が速く、方針が対象にするのは最新版だけ
EmDashは、とても速いペースで更新されています。2026年4月1日から2026年10月29日までに、本体の公開は60回ありました(候補版を含む)。1.0の発表(2026年9月28日)のあとも、1.4.0(2026年10月29日)までの約1か月で5回の更新が出ています。
開発元のセキュリティの方針では、脆弱性の報告の対象は最新版だけです。古い版に修正版を出す約束はありません。実際に、1.0になるまでの間にも、権限やログインまわりの修正を何度も出しています。PHPを使わなくても、更新を追い続ける必要があることは、WordPressやMovable Typeと同じです。
(出典:EmDash リリース一覧(GitHub)/EmDash セキュリティの方針(GitHub・英語))
保守を頼む先に、確かめたい3つ
今の保守会社に頼めるかは、次の3つで見当がつきます。
- AstroとTypeScript(Node.jsで動かすならNode.jsも)を扱えるか
- 最新版への更新を、どのくらいの間隔で追うか
- CloudflareとNode.jsのどちらで動かすか。アカウントやサーバーは誰の名義か
PHPのWordPressだけを扱ってきた会社では、1つ目が引き受けにくいこともあります。答えは、上司への説明の材料にもなります。
【重要】WordPressからEmDashへの移行:移せるもの・作り直すもの
WordPressからEmDashへは、記事は移せますが、デザインと仕組みは作り直しです。移す方法は、WordPressの標準の書き出し機能か、WordPressに入れる「EmDash Exporter」というプラグインの2つです。

2026年11月2日時点の公式ドキュメントによる扱いです。
| もの | 扱い | 気をつけること |
|---|---|---|
| 投稿・固定ページ・カテゴリ・タグ・カスタム投稿 | 移せる | カスタム投稿は「コレクション」という形になる |
| 画像 | 条件つき | 元のサイトから取りに行くので、移すまで元のサイトを動かしておく |
| 作成者 | 条件つき | 対応づけないと、名前だけの表示(ゲスト)になり、EmDashにログインできる人にはならない |
| メニュー・コメント・ロゴ・ファビコン | 条件つき | EmDash Exporterの1.2.0以降で移せる。古い版だとエラーも出さずに抜け落ちる |
| 入力欄を足すプラグイン(ACF) | 条件つき | EmDash Exporter経由で、移行先に受け取る欄を用意したときだけ |
| SEOの項目(Yoast・Rank Math) | 条件つき | EmDash Exporter経由で、取り込む設定にしたとき(欄はExporterが作る) |
| ブロックで書いた本文 | 条件つき | 形式が変わる。ショートコード(記事に部品を差し込む書き方)やページビルダー(ページを組み立てるプラグイン)で作った所は表示を確かめる |
| デザイン(テーマ)・プラグイン | 作り直し | Astroで組み直し、機能も作り直す |
| 予約投稿 | 作り直し | 下書きになる。予約し直す |
| URLの転送(リダイレクト) | 作り直し | URLが変わる所は、自分で転送を用意する |
(出典:EmDash公式ドキュメント(WordPressからの移行)(英語))
この表が意味していること。
「作り直し」の3行を見てください。デザイン・機能・予約・転送は、どれも使い勝手と検索での見つかりやすさにかかわります。
Cloudflare自身も、自社のブログを移したときは、当時の版では予約投稿が動かない不具合を事前の試験で見つけ、旧ブログへ戻せる仕組みを用意して段階的に切り替えました。
(出典:Cloudflare公式ブログ(自社ブログのEmDashへの移行)2026年8月24日(英語))
つまり、こういうことです。
EmDashへの移行は、「引っ越し」より「建て替え」に近い。
記事は運べても、デザインと仕組みは組み直す前提で考える。
EmDashの費用(料金)は「本体は無料」の先に、3つかかる
EmDashの本体は無料です。それでも、サイトとして使うには3つの費用がかかります。

- 作り直し:デザインをAstroで組み、機能を作る費用。制作会社に払う
- 動かす場所の利用料:Cloudflareや、サーバーを貸す会社に払う
- 保守:EmDash本体などの更新を追い続ける費用。制作会社や保守会社に払う
動かす場所の利用料で、気をつけること
- プラグインの隔離をCloudflareで使うなら、Workersの有料プランが前提です
- 画像のサイズ違いを自動で作る機能(画像の変換)は、Cloudflare Imagesの課金です。無料の範囲を超えると、新しい変換が失敗します。画像の多いサイトは要注意です
- Node.jsで動かす場合の費用は、借りるサーバー次第です。公式の目安はありません
(出典:EmDash公式ドキュメント(プラグインの隔離)(英語)/EmDash公式ドキュメント(Cloudflareで動かす)(英語)/EmDash公式ドキュメント(Node.jsで動かす)(英語))
料金は、Cloudflareの公式ページで確かめる
料金は米ドル建てで、項目ごとに次のページに載っています。
- Workersの料金(無料プランと有料プラン):Cloudflare公式:Workersの料金(英語)
- データベース(D1):Cloudflare公式:D1の料金(英語)
- ファイルの置き場所(R2):Cloudflare公式:R2の料金(英語)
- 画像の変換:Cloudflare公式:Imagesの料金(英語)
EmDashのサイトも、作って終わりにしません
パープルエックスは、EmDash・WordPress・Movable Typeのホームページ制作と、公開後の運用保守を月額でお手伝いしています。
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EmDashが向くサイト、今は待ってよいサイト
EmDashを候補に入れてよいサイト
- 作り直しの時期が来ている。CMSの選び直しも同時にできる
- プラグインにあまり頼っていない。お知らせと固定ページが中心で、特別な機能が少ない
- 更新を追い続ける保守の担い手がいる。AstroやNode.jsを扱える頼み先がある
今は待ってよいサイト
- 今のWordPressやMovable Typeが動いていて、保守の担い手がいる
- フォームや予約などを、プラグインに大きく頼っている
- 予約投稿を多く使い、Node.jsで動かすつもり。プログラムを常に動かしておく体制が要る
今のサイトに大きな不満がないなら、作り直しの費用と手間のほうが大きくなります。
状況別の「まずやること」
| あなたの状況 | まずやること | EmDashへの乗り換え |
|---|---|---|
| PHPの脆弱性のニュースが心配 | サーバーのPHPが修正版か、保守会社に確かめる | 急がなくていい |
| WordPress・Movable Typeが動いていて、保守もある | 今の版を最新に保つ | 急がなくていい |
| 誰が保守しているのかわからない | 保守の担い手と、サーバーの名義を突き止める | 保守の見直しが先 |
| プラグインに大きく頼っている | 同じことがEmDashでできるかを確かめる | 確かめてから |
| 作り直しの時期が近い | 要件に、CMSの選び直しを入れる | 候補に入れてよい |
上の4行は、乗り換えより先にやることがあります。EmDashが候補になるのは、もともと作り直す理由がある場合です。
PHPの脆弱性は、多くの場合、サーバーのPHPの更新で対処できます。確かめ方はこちらです。
同じくPHPに頼らない構成にできるCMSには、大学や自治体での利用が多いMovable Typeもあります(開発元の調査は、こちらの記事で紹介しています)。
最近の例:2026年のEmDash(公開・1.0・寄せられた意見)
2026年の主なできごとです(2026年11月2日時点)。
- 2026年4月1日:最初の版(0.1.0)が、開発者向けのベータとして公開
- 2026年8月12日:Cloudflareが自社のブログをEmDashへ移した
- 2026年9月28日:安定版の1.0を発表。協力者は175人以上
- 2026年11月2日時点の最新版:1.4.0(2026年10月29日公開)
(出典:Cloudflare公式ブログ(EmDashの発表)2026年4月1日(日本語版)/Cloudflare公式ブログ(自社ブログのEmDashへの移行)2026年8月24日(英語)/Cloudflare公式ブログ(EmDash 1.0の発表)2026年9月28日(英語)/EmDash リリース一覧(GitHub))
2026年4月2日:WordPressの共同創業者の意見
WordPressの共同創業者マット・マレンウェッグ氏は、本人のブログで意見を出しました。WordPressの精神は「どこでも動き、縛られないこと」だとして、精神的後継という呼び方を否定しています。隔離はCloudflareでしか動かない、とも指摘しました(その後、2026年5月からはNode.jsでも隔離できるようになっています)。一方で、作りの良さや移行の道具、速さは評価しています。
(出典:Matt Mullenweg「EmDash Feedback」2026年4月2日(英語)/EmDash公式ドキュメント(プラグインの隔離)(英語))
2026年9月29日:「Cloudflareに縛られる」という批判
海外のSEOメディアSearch Engine Journalは、1.0の多くの機能がCloudflareに頼っていると論じました。AIでのサイト構築や、プラグインのレジストリの運営などです。他の場所では使いにくい、という意見です。
(出典:Search Engine Journal(EmDash 1.0とCloudflareへの依存についての記事)2026年9月29日(英語))
2026年10月:PHP本体の脆弱性(PHP2Shell)
EmDashはPHPを使わないため、直接の対象ではありません。WordPressの欠陥ではなく、PHP本体の問題です。
2026年の動きが示すのは、EmDashは育ち始めたばかりで、評価も分かれていることです。
【正直に】EmDashへの乗り換えは、急がなくてよいサイトが多い
先に正直にお伝えすると、WordPressからEmDashへの乗り換えは、デザインと機能の作り直しを伴い、費用も時間もかかります。今のサイトが動いていて、保守の担い手がいるなら、急ぐ理由はあまりありません。EmDashは2026年9月に安定版になったばかりで、AstroやTypeScriptを扱える頼み先を探す必要があります。
そのうえで、パープルエックスはWordPress・Movable Type・EmDashでの制作と保守に対応しています。だから、特定のCMSを勧める理由がありません。

技術の判断を、社内で確かめます
Astroでの組み立てや、WordPressからの移行、動かす場所の選び方といった作業では、技術の判断を外に投げずに、社内で確かめます。
作って終わりにせず、月額で保守します
パープルエックスは、公開後の運用保守を月額でお引き受けしています。CMSの更新から写真の差し替え、年度ごとの更新まで、サイトの「持ち主」がわからなくなる状態をつくらないことを大事にしています。
よくある質問
Q. EmDashの料金はいくらですか?
本体は無料です(MITライセンス)。かかるのは、作り直し・動かす場所の利用料・保守の3つです。Cloudflareの利用料は、Cloudflare公式の料金ページで確かめてください。
Q. EmDashでWordPressのテーマやプラグインは使えますか?
いいえ、そのままでは使えません。EmDashは別のCMSなので、デザインはAstroで組み直し、必要な機能も作ります。
Q. WordPressからEmDashへ移行できますか?
記事は移せますが、デザインと仕組みは作り直しです。画像・作成者・メニューなどは条件つきで、予約投稿は下書きになります。
Q. EmDashの管理画面は日本語で使えますか?
はい、日本語に切り替えられます。2026年11月2日時点で、翻訳の対象の99%が日本語になっていました。ただし、同じ時点で公式の説明書に日本語版は見当たりませんでした。
Q. EmDashはCloudflareでしか動きませんか?
いいえ、Node.jsの動くサーバーでも動きます。ただし、多くの機能がCloudflareに頼っているという批判もあります。
Q. PHPを使わないEmDashなら、脆弱性の心配はいりませんか?
いいえ、心配がなくなるわけではありません。EmDash自身も、権限やログインまわりの修正を出しています。開発元の方針が対象にするのは最新版だけなので、更新を追い続けることが要ります。
まとめ
- EmDash(エムダッシュ)は、Cloudflareが2026年に公開した、PHPを使わない無料(MIT)のCMS
- しくみは「デザイン(Astro)・本体・動かす場所(CloudflareかNode.js)」の3段。プラグインの隔離には条件がある
- WordPressとは考え方が近い別のCMS。WordPressから移るなら、テーマとプラグインはそのまま動かない
- 更新する人の変化は小さく、作る人と保守する人の変化は大きい
- 移行では、記事は移せるが、デザインと仕組みは組み直し
- 費用は、本体無料の先に、作り直し・動かす場所の利用料・保守の3つ
- 作り直しの時期が来ているなら候補に。今のサイトが動いているなら、急がなくていい
新しいCMSが、それだけでサイトを守るわけではありません。どのCMSを選ぶかよりも、作ったあとも更新を追い続ける人がそばにいるかのほうが、ホームページを長く守る力になります。
まずは、今のサイトのことをお聞かせください
EmDashが気になったきっかけや、作り直しの迷いなど、気になっていることからお聞かせください。乗り換えが必要かどうかも、正直にお伝えします。
無料で相談する「まだ相談するほどではない」「まず、どんな会社か見てから決めたい」という方は
→ ホームページ制作について見るもっと知りたい方へ
→ PHPの脆弱性でWordPressは大丈夫?確認すること5つ
→ Movable Type(ムーバブルタイプ)とは?WordPressとの違い




